よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

児童文学研究が研究領域としてのし上がるということ

今日、ようやくコースの説明がありました。

とにかくこの1年読め!と。いろんなものを読みなさい、と言われました。

ざっと8割くらいの生徒が学校の先生をされていて、ネイティブだらけです。

大丈夫か、私の英語力。。。と心配になります。

ただ心配しても仕方がないので、来てしまったらとにかく頑張るのみです。

 

(余談ですが、こちらに来てからアメリカの学生の多さに驚いています。

 いろんな人から中国人の学生が多いよ、と言われていましたが、

 少なくとも私の周りにはアメリカから来た人とインド人がいっぱいです。

 アメリカは学費が高すぎて、卒業するころには安い家一軒買うくらいの借金を抱えるからだとウクライナから来た子が教えてくれました。(ウクライナも、、、なかなかホットな御国から来たね、、、という感じですが))

 

コース・リーダーを務める先生が、今日おっしゃってました。

自分が学生のときは英文学のコースしかなかった、でも、

PhDに進む際にどうしてもテーマを児童文学にシフトしたかったそうです。

イギリスではPhDに進むときに研究計画書の提出が必要になります。

このへんは、日本と少し違いますね。

修士の際には、トップ校なら2000字くらいのエッセイが求められますが、

あとは経歴やら推薦状が物を言います。

日本だったら、外国語の試験1~2つに、研究計画書の提出が求められます。

(私は個人的に、入試だけを見たら、京大と東大の大学院に進学する方が、恐らくオックスブリッジに入るより入試の要求水準がめちゃくちゃ高いだろうと思っています。)

 

さて、そのPhDの研究計画書は、上層の委員会にかけられて、

許可が下りれば進学できるのだそうですが、

先生が児童文学をテーマに研究計画書を提出したら、委員会で議論になり、

結論が出るのに相当な相当な(めちゃめちゃご本人が協調してらっしゃったので、私も”相当な”をダブルにしておきます。笑)時間がかかったそうです。

つまり、それだけ、「これで博士論文書けるわけ??」という認識が、

上の先生たちの間にあった、ということでした。

 

児童文学を勉強するために留学する、と言ったら、私も前の職場の上司に、

「ふ~ん(苦笑)」という反応を受けました。

これだけ働いて、なぜ今更そのような研究を?と思ったのでしょう。

(でも最終的に私の決断を応援してくれ、推薦状が欲しければいつでも言ってちょうだい、と言ってくださいました。)

私の所属している某国文学会の先生には、あからさまに「児童文学の研究って何があるんですか?」という方もいらっしゃいました。

そんな中、私が修士号を取ったときにスーパーバイザーになって下さった先生は、応援してくれました。泣

 

恐らく、今、各国の児童文学研究ができる大学のコースをリードしている先生方は、

皆、こうした時代を経てきて、児童文学が非常に多岐にわたる研究分野であり、

そして何より文学研究の一翼であることを証明するべく、この分野を開拓してきたのだと思います。

その恩恵は、種子となってまだまだこれからたくさん新しく芽吹くはずだ!

だから今、外に出たい、海外で学びたい、今、まさに研究している人たちに会いたい!

と、思ったことが、飛び出すきっかけの一つでした。

 

今日はこのへんで。

そろそろ洗濯物の乾燥が終わるかな~。

 

 

#子どもの本 #児童文学 #留学