よむためにうまれて

子どもの本の専門店や本屋さんのはなしなどを記録するとともに、上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいきます。

お医者さんの質 ーイギリス医療事情②―

結局、私はGP(ホームドクター)にはかかっていないので、

GPとプライベート・ドクターを比べたときに

質が違うのかどうかは分かりません。

ただ、留学エージェントやネットに出てくる情報の中には、

GPのお医者さんの質はそこまでよくないので、

プライベートクリニックをおすすめする、というようなことも書かれてあります。

ただ、日本の巷のホームドクターと比べれば、

圧倒的に質は劣るのでは、、、という思いはぬぐえませんでした。

 

この先もあと半年お世話になるかもしれない医療について、

こういうことを書いてしまうのはとても恐縮ですし、

その恩恵を受ける余裕は私にはなかったものの、

完全無料の医療制度というのは、やはりありがたいものです。

が、この3週間、私は本当に、

日本のいつもかかっているお医者さんが恋しくて恋しくて、

顔やらクリニックの受付やらを、頭にリアルに思い浮かべてばかりいました。

(人間の想像力というのが、こういう焦燥感に直結することを初めて知りました。

 欲するものをリアルに事細かに心に描くことができてしまうようです・・・)

 

まず、イギリスの場合、完全予約制にしているがために、

一日に受けつける患者数が限られていて、それが慢性的な予約困難状況の

原因になっている、というのがすぐにわかります。

日本だったら、診察受付時間までに受付へ行けば、

その日のうちにお医者さんにかかることができますよね。

いつもかなりの待ち時間の中、病気の患者さんだらけで混雑する待合室で

順番を待ち続けなくてはいけない、、、、などと、

もう二度と日本に帰ってから思うことはないでしょう。

だって、1~2時間待ちさえすればその日のうちに診察してもらえるんですから。

イギリスだったらこれが数日待たなくてはいけないわけです。

 

そして、お医者さんにとっても、

これは経験値の圧倒的な差になるのではないかと思います。

さまざまな症状への経験が、患者さんをこなすほどに増えていくはずが、

完全予約で人数を区切っていることによって、

日本から見ると、割と悠長な診察だな、と思う点がありました。

緊急な措置を要する患者、発症からの経過と日数の双方を考慮することなどは、

その日その日のリアルな症状に接するからわかるのだろうと思いますが、

「病気だな」と思った患者が1週間後に医者にかかった症状は、

慢性的なものでない限り、1週間前と異なるのは容易に想像がつきます。

それはお医者さんの経験値にとって、不利ではないのか、、、と思うのです。

(すみません、これは、あくまで患者目線の意見です)

 

ロンドンだったら、最初から日本のお医者さんにかかることもできます。

しかしここはスコットランドの小都市。

私は日々症状が改善しない中で、あらゆる情報をネットで検索してみましたが、

ふつうウイルス性であれば、1週間もすれば便と一緒に悪いものが出ていくのです。

それが1週間以上経過している時点で、ウイルス性を疑う、

という余地がうまれないのか???と思ったのですが、

私は医学部に留学しているわけでもなんでもない文系人間です。

先生の出された薬を飲むしかないわけですが、

それでもネットでざっと学んだだけでも、

お腹の聴診は触診の前に行う、という知識くらい得ていました。

(この先生はいつも触診してから聴診を行い、お腹の動きは悪くない、

 と言っていたのです。。。)

薬もほぼ効果はなく、ただただ日だけが過ぎ、

午前中のクラスには相変わらず出られない状況が続いていました。

 

今日、ようやく検査結果が出て、(薄々素人の私ですらわかっていたことですが、)

結果はすべてネガティブ、ウイルスや細菌は検出されませんでした。

(やっぱり・・・。じゃあ何なの?!><。)

と泣きたくなりましたが、

ようやくここへきて、少し大きい病院の専門医を紹介してくれることになりました。

早く、、、早くそこへたどり着きたかった、、、、と思いました。

 

今回は、日本の私の地元の小さな町のお医者さんの専門性の高さを、

あらためてありがたいことだと思いました。

特に私がお世話になっていたお医者さんは胃腸科が専門だったので。。。

日本って命にかかわる職業に対する責任感、コミットメントが

すばらしいな、と思うことが外国へ行くとあります。

以前も途上国に滞在中に一時帰国で日本へ戻ってきたとき、

デパ地下の野菜コーナーの美しさに感動してしまいました。

つやつやした野菜がきれいに並べられて大切そうに売られている、

なんて素敵な国~!

さすが、江戸時代には身分上、農業は侍に次ぐ地位とされていた国だ、

と思いました。

口にするもの、体にかかわるもの、そういった職を、

人のいのちにコミットしている、と思って働いている人たちがいることに感謝です。

医療事務ひとつとっても、「お大事に~」と見送ってくれるやさしさは、

ここにはないです。

日本も高齢化で医療や福祉制度に問題がたくさんありますし、

お医者さんの超過労働時間も大きな問題になっていますし、

日本の医療現場は常に激務だと思います。

だからこそのこの水準に、本当に頭が下がります。

教育も医療も、「完全無料」にして問題が出ない国を見たことないです。

ある程度の負担はしてでも、高い医療の質が維持される方が、

制度として安心感をもてるな、というのが、今現在の個人的感想です。

 

日本の医療に携わるすべての人に、感謝!