今回の記事は、
子どもの本のはなしから少し離れて、
またロンドンばなしです。
ロンドンのトラファルガー広場のすぐそばにある
ポートレート・ギャラリーで、
逢うことができます。
遅咲きなうえに早世してしまったジェーン・オースティン。
作品数こそ少ないものの、
モーツァルトにもたとえられる文体とウィットで、
いまだ、
イギリス文学最高峰の一角を女性作家として占めています。
全く世相を無視した作品世界に、
自身は遂げられなかった幸福な結婚、
という典型的ハッピーエンドでありながら、
今も世界中にファンを増やし続けていますね。
かく言う私も、大ファンです。
今回、大学のジェーン・オースティン・クラブに入ってみましたが、
結局1度も集まりに参加できないままでした(泣)。
たぶん学部生だったらよいのでしょうが、
読まなければいけないものや、
毎週のタスクに追われ続ける修士では、
とても悠長にお茶を楽しみながら『高慢と偏見』について語り合う、、、
などということはできませんでした。。。
それどころでなく他に把握しておきたい小説やら
キャラクターの意味やらで毎月毎月あっという間に過ぎていきました。
そんなわけで、ポートレート・ギャラリーで
ジェーン・オースティンの肖像画を見られたのは、
一度もクラブに出られなかった生活を報いるほどにうれしかったです。
はじめはこの肖像画が見つからず、
「ジェーンはどこ?!?!」と歩き回ったのですが、
実は1度通り越していたようです。
結局、係の人に「彼女はどこですか?(; ・`д・´)」
と聞くことにしました。
そうして教えてもらった場所で出会ったジェーンは、
とてもとても小さかったのです。
通り越してしまうはずです。
他の肖像画と比べてみるといかに小さなものかがよくわかります☝。
肖像画、というのは、貴族や上流階級の人間が
絵描きに描かせるものですから、
他の肖像画はそのスノビッシュさが何となくありますが(←全くの多大なる個人的偏見です・・・)、
彼女の絵の場合はサイズからして違います。
つまりその身分の差が、こうして見ると歴然です。
階級社会だなぁ、とこんな一面からも考えてしまいます。
お姉さんが、きっと家族の余暇の時間に描いたんだろうな、
そして描きかけのまま、残ったんだろうな、
と思うと、今こうして、
他の貴族の肖像画の群れの中で、ケースに入れられて大切に飾られていることをジェーン自身が知ったらどう思うんだろうと考えました。
正直外国人の私には、他の一人一人の肖像画は、いちいち誰か、ということはわかりもしなければ関心もありません。
でもジェーンはその誰よりも、世界的に有名なわけです。
彼女の人生を含めて、いつまでも魅了されてやみません。
そしてもう一人の最高峰に君臨し続ける彼☟にも会いました。
右下の角にうつっているのは私の洋服の袖です。
ツーショット写真を撮ったものをトリミングして載せています。
いまださまざまな説が浮上しますね。
元々は何人かの人間で書いていたとかいないとか。
正直、そうした議論は作品の価値に影響するものなのかといつも疑問に思っています。
つまり、真相がどうあろうと、いまだに人をひきつけて、楽しませてくれていること以上に、その真価を左右するものなどないのではないか。
その「真価」となればやはり、
演出を時代や演出家によって変えつつも
今も「なまもの」としてステージで再現されるところにあるはずです。
というわけで、友人とシェイクスピアシアターも楽しんできました☟
(上の写真は終演直後の興奮状態で出てきた(少なくとも私と友人は)
お客さんたちとシアターの様子)
たったの5ポンドで当日の立ち見を楽しむことができます!
これはもう是非オススメしたいくらいよかったです!!
しかも見るならこの立ち見が断然楽しいです!!
歌舞伎のような花道が無くて、
俳優さんが観客の間を通って出たり入ったりします。
この日観た演目は喜劇でしたが、
お客さんが大笑いしていて、
最後は本当にステージと観客が一体となって
大盛りあがりをしたのを体験できました!
飲み物やちょっとした軽食を持っていけば、
幕間に休憩しながら、
円形劇場の外のオープンスペースで談笑を楽しむことができます。
ビールを一杯!というのももちろんいいですね。
ただ、屋根のない昔ながらの劇場を再現してあるので、その昔は無かったロンドン市内の空港を発着する飛行機の音で役者さんの声が消え入るところもありました。
そこは何とも、、乙ではない残念さはありました。
が、私はこのそのままの素朴な劇場が
とても可愛くていいなぁ、と思いました。
ロンドンに留学できていたなら、
毎週のように通って全ての演目を見ただろうと思います。
ロンドン滞在中に泊まっていた知り合いの下宿先のおばさんは、
劇場の演出家が若い人に交代してから、
演出方法がだいぶ変わって、少し下品な部分もあると思う、
とおっしゃってました。
なので、階級的な文化の差や
何を下品ととるか、という感覚の差によっては、
イギリスのご婦人には多少の批判もあるようです・・・。
なにはともあれ、シェイクスピア・シアターよかったです!