よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

たがいの影に②

前の記事Tales From The Inner Cityについて、

ショーン・タン本人が語っている記事があるので、

いちおう、いちおう貼っておきます。

 

www.theguardian.com

 

ただ、記事の中で、人間が動物に行っていることを考えると、ビーガンしか正しい道はないように思われる、というようなことを語っているので、そのあたりは、なんというか・・・、読んでいるうちに、無粋というか、微妙な興ざめ感があるかもしれません・・・・・。

ほかに、ケイト・グリーナウェイ賞設立以来の白人以外からの受賞となったことなどについても、少し語っています。

 

何かを直接的に聞かされることは、こんなにもそこからひねり出されてきたこととは違うものなのか、ということを感じます。

私は、ベジタリアンではないですが、友人にベジタリアンの子もいるので、食を大切にしているうちに、それが一つ、その人のアイデンティティとしても確立されるようだ、ということも理解ができます。

ただ、「これが正しいんじゃないか」という考えを伝えたり、受け取ったりするときは、いつだってお互いにとても注意がいるのかなぁ、と感じたまでです。

 

それにまぁ、日本には、宮沢賢治がいますから。

今、この本がイギリスで受賞したのを思うと、そういう思いがあらためてちょっとわいてきます。

いや、日本には宮沢賢治がいたよね。と。

 

子どもの本は、伝えたい価値観がかなりもろに出てくる文学で、そこから脱皮しようとしてきた苦闘の積み重ねだとすれば、Tales From The Inner Cityは、受け取り手の構築する余地が莫大で、読者の力量に任せてくれるすばらしさがあります。だから、あまり作者の考えている背景などは聞かなくても、いいんじゃないかなー、と思いました(記事を貼っておいてなんですが。爆!)。  

 

 

... shark, bear, crocodile, owl, pig, lungfish, moonfish, parrot, pigion, butterfly, bee, tiger, dog, frog, snail, cat, sheep, horse, yak, orca, eagle, hippopotamus, rhinoceros, fox... at least we gave them our most beautiful words.