ツバメ号を出ると、海からの風が強く吹いていて、
左へ行けば津久井浜駅へ戻りますが、右へ下って海を見てから帰ることにしました。
道なりに直進すると、海辺の街らしく民家の塀が低いのが目につきます。
突き当たりのT字路の信号のむこうに、横須賀の海の深い青色が見えてきて、
かもめが数羽飛んでいきました。
そして海には、さきほど飲んだクリームソーダのトッピングとそっくりに、
ウインドサーフィンのセールがいくつも浮かんでいました!(5月に大会があったみたいです)
ツバメ号さんで買った絵本『いきる』の最後のほうで、
大きく夜の海を月が照らしている絵の頁があります。
海の向こうには街灯りが光り、雲が流れている絵です。
夜の海風の感じ、気温、月の光が海面を照らして、無数の命が光っているように見えるその感じのすべてに、見覚えがありました。
満月の夜には、 ちょうどその絵と同じ景色が、このT字路の向こうに広がっているはずです。
だからきっと、この絵本を買ってしまったのだろうと思います。
そういうふうにして、1冊1冊は選ばれ、誰かの手におさまるのかもしれません。
ぜひ、絵本屋を堪能したあとには、海まで歩いてみることをオススメします。