(前回の続き。まだまだ展示の興奮は続くのでした。)
展示されていた本の中から:
『インドのビーチ 昼と夜 (AN INDIAN BEACH)』
インドの街の喧騒がモノクロの絵から活き活きと伝わってきて、インドの街角をちょっと覗いたような楽しさがあります。
ガラスケースに展示されています。いろんな角度から絵を楽しめます。
『ロンドンジャングルブック (LONDON JUNGLE BOOK) 』
これは翻訳されていませんが、国際子ども図書館に入っていて、書庫から出してもらって読むことができます。
ゴンドの画家が初めてイギリスを訪問したときの話を絵本にしたものです。
異なる時空を生きてきた画家の目に、ロンドンがどんなふうに映ったのか。
とても面白い本です。個人的にはタラブックスの出版物の中でトップ3に入るくらい好きです。
英語のまま読むのをオススメします。
『筆にみちびかれて (Following My Paint Brush) 』
これも個人的にかなり好きな絵本です。
使われている色や、画面から、女の子の夢が育っていくわくわくした気持ちが伝わってくる明るさがあります。
ローカルな職人の才能を余すところなく汲み取って作品にしているタラブックスならではの絵本だと思います。
これも確か翻訳が出ていなかったと思います。
国際子ども図書館で読むことができます。
『希望とはフルーツを売る少女 (Hope is a Girl Selling Fruit) 』
『筆にみちびかれて』と合わせてタラブックスの少女シリーズを呼びたくなります。笑
これも大好きです。まず何よりこの題名が好きです。
ご興味もたれた方はぜひ、展示でこの絵本の構図の凄さを見てみてください。
タラブックスの絵本の絵は、それぞれが単体でものすごい存在感を放っているのが特徴的で、一枚一枚に完結した世界観があるような気がします。
どれも本当に強い絵です。
『ビル族のおまつりにいこう (Visit the Bhil Carnival) 』
前回も書きましたが、この作品も、インドのテキスタイルの刺繍に通じる構図や絵柄だと思います。
画面いっぱいに散らばった人物から、お祭りの楽しさが伝わってきます。
インドのテキスタイルには、儀礼用に制作される伝統的な布もあるので、
まさにこういったおまつりの様子を描かせたら、インド民芸の真骨頂というか、
どんな媒体になっても絵が生きてくるなぁ、と感心させられます。
・・・というわけで、文章でいくら言っても仕方ないのですが、
前回の記事を締めくくったときと同じように、今日も「民藝」(第741号)から岩立さんのカンタの描写で締めくくりたいと思います。
“(略)四隅に生命の樹が繁り、余白の部分は馬に乗る人、寺院から出る山車、
その他、孔雀や蝶などこの世の生きとし生けるものの喜びが溢れています。”
#子どもの本 #タラブックス #板橋区立美術館 #カンタ #民芸