1ヶ月ぶりに更新します。
今回は神保町の みわ書房 です。
神田古書センターの5階にある穴蔵的な児童書専門の古書店です。
昨年末に用事のついでに寄ってきました。
エレベーターが開くと、おびただしい量の子どもの古本が積み上げられた光景が出迎えてくれます。
それだけでもテンションが急上昇してしまうのですが、
アドレナリンをおさえつつ、
古本の匂いに包まれつつ、
じっくりゆっくり、
積みあがった本の山をめくったりあさったりすることができます。
それはさながら、子どもの頃狭いところに隠れたりもぐりこんだりするのが、どこかワクワクしつつも心が落ちついた感覚とちょっと似ています。
面積は広くありませんが、天井までびっしりと詰まった子どもの本。
しかも古いものの背表紙を眺めていると、それだけでこの芸術分野の歴史に思いが飛んでいきます。
全集関係、昭和の子どもの本、児童書関係団体の季刊雑誌、そして、海外の絵本もみつかります。
英語の絵本は比較的新しいものも多いようでしたが、英語以外のメジャー言語でいうと、フランス語の絵本もけっこうあります。
中にはタイ語やアラビア語とおぼしき(わかりません。アラビア語が読めないので。笑)絵本などもありました。
そちらの方面の研究者の方にとっては、ここに流れ着いてきた本を、とりあえず手元にひきとってあげたくなるのかもしれません。
こうして見ると、今も現役で生き残っている物語、絶版になったもの、絶版になったけれども全然面白いのに、と思うもの、作品はそれぞれ時代を生き抜いて、誰かに読まれて、愛されて、ここにいるんだねぇ、というしみじみとした思いも湧いてきました。
私は今回は2冊だけ、
ソ連時代の『ビーチャと学校友だち』(ニコラーイ=ノーソフ作/田中泰子訳)、
IBBYのベルリンで行われた第23回会合
“The World of Children in Children's Books - Children's Books in the World of Children”
の記録を買いました。
しめて1,040円(安っ!)
『ビーチャと学校友だち』は初版1976年。もともとソ連で出版された年は1951年だそうです。
当然ながら社会主義期のバイアスはありつつも、主人公の少年ビーチャは面白いキャラクターでした。
算数が苦手でクラスで成績最下位ながらビーチャが少しずつ宿題をするようになる経緯は人が何かに熱中し始めるときの姿をよく映していて、「いい子」を前面に売り出していません。
そうそう、お会計をするときの、お店のレジも年代物ですよ。
しかもレシートまで、ちょっと印字の懐かしいレシートです。こういうレシート久しぶりに見たかも(笑)と思いました。
今回は時間がなくてお茶もせずに神保町を後にしましたが、
本を買ったあとは、お茶をしつつ、
カバンの中から戦利品を取り出して眺めるのが大好きです。
人生の中でも愛してやまない至福のひとときですね~。
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