よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

双子のものがたり

ゲノム編集の双子が産まれた、

というか産んだニュースが

世界中で報じられていますが、

本当だとしたら、

現実感が薄れるほどに頭のクラクラする話です。

 

あまりに衝撃的すぎて、

NHKを見ていて、なんだか、

これが一体今現在の地球の上で起きている出来事なんだろうか、

もしかして、何かの物語の中に入り込んでしまったんだろうか、

という変な錯覚が起きたくらいです。

 

 

まるで、中学生のときに読んだ『ソフィーの世界』の最後のようです。

この本は、中学生の私にとって、

このニュースに劣らないくらいの衝撃でした。

人生には何度か、そういった衝撃波がやってきます。

私の場合、たいていそれは本がもたらしてくれます。

 

 

さてちなみにNHKでは、

「笑みを浮かべて報告する研究者」

と報じていました。

”笑みを浮かべて”、というのは、もちろん、

NHKの主観によるナレーションです。

でも、そう言われると、

確かにその笑みに注目してしまいます。

 

 

昔、大学の言語学のゼミで、

NHKプロジェクトXのナレーションが全部過去形だ、

ということを話し合ったことを思い出しました。

日々さまざまな言葉を浴びている中で、

誰かの物語り方や、誰かの言葉で、

自分の人生を語っていないか、

あるいは勝手に語られていないか、

私たちは注意深く自分の物語を読みこなさなければいません。

 

 

でも、産まれてきた双子の物語は、

一体誰が書いていて、誰が書くのでしょう。

 

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頭の中の枠組みが外れそうな音がする、

そんな衝撃です。