オックスフォードにはたくさんの作家のゆかりの地や、作品関連のショップがあります。中でも一番行ってみたかったのがここ☟です。
J.R.R.トールキンとC.S.ルイスがよく通って議論をしていたパブとして知られています。
昼間はお客さんの姿もまばらでした。お店の前で写真を撮る人も私以外にいなくて、こんなに有名なのに、こんなに素通りされてるのかい?と、私としてはちょっと意外でした。
後で調べてみたけれど、このパブ、大学が所有しているんですね。
イギリスの大学の独立性は本当にすばらしいと思うけれど、あらゆる方面からお金を稼ごうとする精神を感じてしまうと少しだけ辟易もします(笑)。
個人的には人生の中で私立の教育機関のお世話になったことがないので、大学側が商売したいんだな~、ここでこうやって学生にお金を払わせたいんだな~、と商売っ気を感じてしまうとげんなりしてしまうのかもしれません。
そんなこともクラスメートとたまに話す機会もあったりしました。
階級社会のイギリスの階級に支えられた教育機関の成り立ちは、忘れてはならない部分だと思います。児童文学コースの所属していた教育学のクラスでは、「階級」による教育格差をどうするか、というテーマが頻繁に議題にのぼりました。
さてさて、はなしをオックスフォード観光に戻さねば。
パブの中で食事はせずに外見だけ撮って満足しました~。
何が気に入ったって、このパブの名前です!名前がもはや児童文学っぽくて、何かの物語のタイトルのようです。
こちら☟はこのパブからほど近い交差点にあったWHSmithのウインドウです。
とにかくオックスフォードは・・・、というか、アンシャン・ユニバーシティではどこも、「うちこそ舞台」とばかりに、ハリー・ポッター・ショップや関連商売をよく見かけました(外観の雰囲気だけでいうなら、一番建築がハリー・ポッターそのものなのは、グラスゴー大学です)。
オックスフォードも撮影舞台になってますから、ハリー・ポッター・ファンや関連商品が町のあちこちにあります。
しかし。そこはやはり英国児童文学史の厚みです。
アリスは不動の女王ともいえるし、指輪物語の壮大さと緻密な世界観が打ち立てた金字塔は、時がたてばたつほど、その地位をあげるばかりだといってもいいでしょう。C.S.ルイスのコーナーもしっかりとあります。
このウインドウを見ながら、アリスの横にハリー・ポッターか~、などとしばし考えました。
【追記】そこへいくと、フィリップ・プルマンのNorthern Lights/『黄金の羅針盤』シリーズの影が薄くて、どうして⁈と思いました。個人的には、Northern Lightsを読んだときから、オックスフォードに行きたい!と思っていたので、かなり解せませんでした。やはりそこは、他の作品の幅広い商業的な成功が桁違いなのでしょうか。
そのアリスも、もちろん観光客用のかわいらしいショップがあります。
クライストチャーチ・メドウが広がる入り口の、道を挟んで反対側です。
お店自体はかなり小さいし、品揃えもそこまで・・・という感じでした(ごめんなさいい)。
でもアリスの大ファン、という人は訪れたいお店なのでしょう。
私が行ったときは、韓国と中国からの学生でごった返していました。
私が興味をひかれたのはこのアリス・ショップではなく、その横にあった古本屋さんです!☟
St Phillip's Booksというお名前で、恐る恐るドアから店内をのぞくと、店主の方が奥の小部屋にいらっしゃって、遠慮することなくどうぞ、という感じで挨拶してくださったので、ご挨拶をして、ちょっと見せていただくことにしました。
店内はそこまで広くないですが、C.S.ルイスの棚やらJ.R.R.トールキンの棚やら、オックスフォードがらみの名物作家の書物はもちろん、ジェーン・オースティンの棚など、イギリスを代表する作家の本がきちんと整理されて並んでいました。
通りに面した窓にも、トールキンとルイス関連の大きな本。
なかなか静かに本を選べる空間でしたので、文学ファンの方は、アリスのお店よりも、こちらで美しい装丁の本を1冊記念に、なんていうのもいいかもしれません★