よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

イランの絵本と靴下展に行ってきたはなし

原宿にある絵本の読める喫茶店SEE MORE GLASSで開催されていた「イランの絵本と靴下~『わたし、ボタンがこわいの』の原画とともに~」展に行ってきました。

 

明治神宮駅の7番出口から出て右へ3分ほど歩き、京セラ原宿ビルの地下にあるカフェです。

絵本がたくさん置いてあるので、絵本好きの方は、よく知っているお店かもしれません。私は初めて行きました~♪

とても居心地がよくて、可愛いものにあふれていて、またコロナが落ち着いたらゆっくり訪れたいなぁ、と思いました。

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今回の展示は、マルジャーン・ヴァファーイヤーンの『わたし、ボタンがこわいの』という絵本の原画展でした。

赤系統の数色を使ったイラストで、本当に色の使い方が、特に赤を印象的に使うイラストレーターなんだなぁ、と感心しました。

主人公の女の子がすごす家の中では、なぜかボタン(服のボタンです)があっちにもこっちにも寝ても覚めても彼女の前に現れる。どうして?実は・・・友達の筆入れについていたボタンがあんまりきれいだったから、つい取ってしまったけれど・・・というストーリー。

子どもの罪悪感をテーマに、ボタンというモチーフが女の子の良心として迫ってくる、というおもしろい展開なのですが、イラストはその罪悪感も明るい色でかわいらしく表現しています。

 

主催者の方が、マルジャーンのイラストで、イギリスで出版された絵本も2冊見せてくださいましたが、そちらの絵本もすっっばらしかったです。

このイギリスで出版された絵本の出版社というのは、Tiny Owl Publisshing という会社で、イラン人の方が創設されたそうです。

こちらがホームページです☞ https://tinyowl.co.uk/

この出版社の理念がまたとても素晴らしかったです。会社紹介によると・・・

 

同社は2015年設立。共同設立者の一人が旦那さんとイギリスへ2010年に移住してきたとき、下の息子は9歳で、英語の読み書きを勉強しなければならなかったけれど、彼に買ってあげられるような子どもの本が見つからなかった。つまり、彼のバックグラウンドと同じような主人公や登場人物の出てくる本がなかった。そこで、出版業界にいた経験を活かし、「すべての人のための絵本!」をモットーに、出版社を設立。イランの傑作絵本の翻訳を始め、さまざまな翻訳絵本を出版し、司書や教師とも協働しつつ、多様で包摂的な子どもの本の出版に努めている。

 

のだそうです。

私も何度かこちらのブログで、イギリスの本屋に行くといかに日本の児童書市場の多様性が高いかをあらためて気づかされる、と書いてきました。

でもこうして、そんな市場の中で多様性に寄与しようとしている出版社が設立されていたんだ~!と感動しました。

彼らは、多様な児童書は、周辺に位置付けられるのではなく、中心にあっていい、というようなことも書いています。その意味が、とてもわかるなぁ、と思いました。すべての子どもは、性別や民族、文化、あるいは階級に関わらず、彼らの読む本の中に、彼ら自身を見出していいはずだ、という言葉に、深く共感します。

そして、「包摂的 inclusive」という言葉もとても大切なんですよね。イギリスやヨーロッパの教育学では inclusive education というのが、すごく語られています。でもひとまず、それはまた別の機会に・・・。

 

イランのイラストレーターは、もっともっと国際的にも評価されておかしくないよなぁ、とあらためて思いました。

今回の絵本のイラストが印刷されたマグカップがとてもかわいかったので、つい買ってしまいました。コップのふちが紺色なので、一見ホーローのようにも見えますが、陶器のコップで、電子レンジに入れても大丈夫みたいです。


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白の余白もいい感じです。

あたたかい飲みものにほっとする季節、大切に使おうと思います♫

 

そして、喫茶店では、ゆずソーダを頂きました。これがまたさっぱりして甘くておいしかったです☆(☟この壁のイラストも可愛いです)

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お店の奥には、絵本の本棚が並んでいますが、よく見ていくと、『忌野清志郎の世界』という作品集がおいてありました (*‘∀‘)キヨシロウサンヤン!

しかも、カウンター前においてある棚の横には、ピンクの写真立てに清志郎さんのお写真が。(きっとファンなんだ~💕)とほんわかしました。

 

☟帰りの夕暮れがきれいだったので、パシャリっ📷

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今年もこうして暮れていきますね。