よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

蝶の羽音

緊急事態宣言前に、東京に戻ってきました。

(私の地元は関東圏なので、ほぼ通勤圏内の交通機関の移動で済みますが、とはいえ、緊急事態宣言となると、地元に戻ることも何となく「不要不急」になってしまいます。。。)

 

戻ってみたら、イギリスで同じ児童文学のコースを修了したあと、さらに別の大学で研究生をしているクラスメートから、絵葉書が届いていました。

レディング大学の児童文学コースでまだまだ学んでいるのです。

まだイギリスで学んでいるなんて、うらやましいですが、そもそも児童文学を学べる大学の別の選択肢がまだまだあること自体もうらやましいです。

いつかまたどこかで会えた日には、レディングはどんなだったか、どんな先生や生徒さんがいるのか、いろいろ聞いてみたいです(^^)

何しろ、葉書きには、「知らないことがまだまだある~」という思いがあふれていて、「それでも私はまだ児童文学が大好きだよ~」と書いていました。

そして絵葉書はWinnie-the-Poohのイラストのもので、彼女の手書きで、

Pooh said, 'Bravely go on any adventure!'

と書かれていました(*^-^*)

 

そして今朝は、郵便局預かりになっていた別のクラスメートからのカードを受け取りました。

はるばる台湾から届いたカードと、地元のアーティストのイラストのものだというおしゃれなメモ帳が入っていました。

台湾は寒くなってきて、一緒にイギリスの町を歩いたことをしきりに思い出すよ~、と書いてありました。

何だか、じ~~んとしてしまって、いつも見えるところに置いてあるジミー・リャオの『地下鉄』(☟)を開いたら、さらにじ~~~~んとしてしまいました(泣)。

www.shogakukan.co.jp

そして、たまらなく、クラスメートに会いたいなぁ、会いたいなぁ、会ってもう一度、公園をぶらぶらしたり、最近読んだ絵本のことを話しあったり、うまく進まないエッセイのことを愚痴りあったりしたいなぁ、と思いました。

 

世界はふたたび遠くなってしまったけれど、誰かにあたたかい言葉を贈りあうことはできる。

とげとげした言葉を聞かないように、耳をふさぐこともまた、選択できる。

美しいものだけが思い出になる、と寺山修司は言っていたけれど、結局すべての今も未来もいつか過去になっていくのなら、振りかえって、例えば寒い冬の日に、胸がぽかぽかして、でもちょっと切なくなるような、そういう日々がたくさん人生にあるなら、それは何より、目の前の現在を越えてゆく力をくれるのではないかと思う。

生きていくことは いくつもの 驚き

生きていくことは いくつもの 喜び

気づかずにいたけれど そばにいてくれた すべての人に「ありがとう」を

 

地下鉄通路

いた

  ――幾米『地下鉄』(宝迫典子訳)

 

年明け早々、またかぁ・・・、という暗澹とした思いになりそうだったのを、絵葉書やカードに吹き飛ばしてもらいました。