よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

(タイトルはありません。)

経済や法律も含めて人間の決め事はいつ変わるかわからない。だから、あまり執着しない方がいいです。人間の社会はそれ自体がヴァーチャルで、「自然」に対しては「嘘」だから、ルールは大事だけど決め事を中心に考えるのは好きじゃない。

  ―楳図かずお「戦争より、もっと怖いもの」

  (岩波新書『子どもたちの8月15日』より)

 

梅雨が明けて、ずいぶんと長いトンネルを抜けたような気がするけれど、この猛暑。

ウイルス、豪雨、長雨、猛暑、と、目白押しの2020年。

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たがいの影に:『テイルズ・フロム・ジ・インナー・シティ』(by ショーン・タン)

Where can we live if not in each other's shadow?

 

 ーTales From The Inner City by Shaun Tan 

 

だいぶ久しぶりの更新。

今月、イギリスのケイト・グリーナウェイ賞カーネギー賞が発表されましたが、ケイト・グリーナウェイ賞を、あのショーン・タンが受賞したのですね。

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水平線をささえる

水平線というのはバニシングポイント。

船から見ても高い山から見ても、必ず目の高さにある

(略)

そこが本と似ている気がする。

どんな場所にいても本があれば、

頁をめくることで私たちは"いま・ここ"とは違う場所に入り、楽しめるのだから

 

 ―『「本をつくる」という仕事』稲泉連 著(筑摩書房2017)より、角野栄子さんの言葉

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