よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

長い待ち合わせ

運悪く人類に生まれついたからには、

せめて一度ぐらいはりっぱにこの生物を代表すべきだ。

どうだね?
 

サミュエル・ベケットゴドーを待ちながら

(安堂信也/高橋康也訳 En Attendant Godot) 

 

ゴドーを待ちながら』の中で、ゴドーを待つゴゴとディディの二人。

でも私たちは今、みんなで一緒に待っている。

この混沌が終息し、

収入が干上がる日々が一刻も早く終わることを。

 

ただちょっと、時間がかかる。

なんでもすぐに発信できて、ぽちっとすれば明日には何でも手に入る環境に慣れてしまったけれど、この病気はそうはいかない。

今日、明日、急いで手を打たなければならないわりに、

すぐに事態が変化するわけではない。

時がすぎてみないと、わからない。

 

 

さしあたって、じっと待つ。

その時間を、しっかり味わう。

ゴゴとディディみたいに。

わぁわぁ云ったり、黙ったり、

考えたり、考えるのをやめたりして。