よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

ジェーンをたずねて②:Jane Austen’s House

あっという間にロンドンでの滞在期間も終えて、

経由地にて日本への帰国便を待っているところです。

1年なんてほんの刹那だなぁ、

と、思いつつも、

確実に1年前と今では、

見える景色も変わりました。

 

手さぐりだったものが、少しつかめるようになり、

五里霧中のように感じていたものが、

少しずつ道として形成され始めたような、

まだまだなような。

歩き始めたばかりの心境ですが、

結局、留学で得た友人たちが、一番の宝物です。

子どもの本について、

同じくらい熱い興味をもっている仲間と

あーだこーだと話していられる時間というのは、人生の中で、とてもかけがえのないものでした。

おととい、ロンドンで

ロアルド・ダールのマチルダのミュージカルを観たのを最後に、

一番最後まで旅をともにした友人とお別れしたとき、

ただ単純に、

心から、

たまらなく寂しいなぁ、、、、

と、

そういう感覚を、久しぶりに味わいました。

普通だと思っていた日常ほど、

あなたにその素晴らしさを思い知らせるものはありません。

今そこにある日常ほど、

そこを去るとき、

あなたの胸に迫るものはありません。

ここ数年、私は個人的に、仕事の関係で、

居場所を「年」単位で移してきました。

「今-ここ」にある現実が日常になる、

というのは、どういう瞬間で、

どれくらいの長さがそこに必要とされるのだろう、

と、ふと考えます。

 

さて、この人の人生の最後の日常の場も少し見てきました、

ということで、

Jane Austenが亡くなる直前まで過ごした

ChawtonのJane Austen's Houseに行ってきました。

私はたぶん、イギリスで訪れた街の中で、

Chawtonが一番気に入ったかもしれません。

(自分の住んでいたグラスゴーを除いて、です。「暮らす」というのはまた別格の行為なので、別格の想いがあります。)

 

一見すると、本当に普通のコテージです。

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人手に渡ったものの、

ご好意によりミュージアムになったそうです。

 

入場料は、学生割引がききます。

チケットは図書カード(例えが古い…)くらいの大きさの厚紙のしっかりしたもので、

1年間有効だそうです。

たびたびこれる立地ではないにしても、

1年間有効と考えるとお得ですね。

まぁ、、、一度見ればそう何度も来ないかもしれませんが。

ちなみにこちらのチケットを提示すると、

Chawton Houseのチケットが割引されるそうです。

 

エントランスの隣は、納屋になっています。

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お庭を少し見てから、

母屋へ行くというコースになっていました。

お庭のお花が、春~夏はもっときれいなんだろうな、

と思いました。

9月頭でも、ラベンダーやバラ、


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小さなかわいいシクラメンなどが咲いていました。

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ちなみに、立て看板によれば、

お庭の花は当時咲いていたもののまま、

ということではないそうです。

ジェーンが住んでいたときは、

もっと実利的に野菜やハーブなどを植えて、

家庭菜園としての役割もあったとのことです。

家畜を飼い、野菜を植え、洗濯をし、

自分の手を使って生活をしつつ、

午後には小さなテーブルで書き物をしていたんですね。

 

さて、母屋に入ると、何やらピアノの音が。。。

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係の方がピアノを弾いていました。

もちろんこれも実際にジェーンが使っていたものではないと思います。

(すみません。説明書きは読んでませんが、見た目が新しめでした。)

ジェーンはピアノも趣味で弾いていたんですよね。

どんな曲を弾いていたんだろうな~、

と時々思います。

さらに、次の奥の部屋に行ってみると、

ジェーンが実際によく書き物をしていた、

というテーブルが置いてありました。

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(ゲートへ行く時間が近づいてきたので、つづく・・・)