よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

年の暮れ(もしくはタラブックス展③)

トウキョウマナティです。

2017年も終わりです。

今年はブログを始めてみました。

そして全然更新できませんでした。。。

児童書専門店のことを書きたい、と思ってブログをはじめましたが、

行く時間、書く時間、それぞれを確保しながらだと、なかなか更新できないな、

という至極現実的なことに気がつきました。

あと、本屋に行くとすぐに一葉さん一人くらいは軽くひらひらと去って行かれるので、

その辺も、、、。(ましてアマゾン川にもポチポチしながらどんどん一葉や英世を放流していますから。汗)

でも、引き続き、マイペースに更新したいと思います。

  

なぜなら、やっぱりタラブックスのような新しい流れが生まれているのを見ると、

わくわくしちゃって落ち着かなくて、ブログ開設しておいてよかった~、と思うわけです。

フェア・トレードで有名になった、、いえ、フェア・トレードを有名にした、と言った方が正しいですが、People Treeというファッションブランドがあります(本店:自由が丘)。

タラブックスのことを知ったとき、一種、出版業界に現れたフェア・トレードに近いんじゃないか、と思いました。

ローカルな民芸の職人さんが自身の名前とともに、世界的に伝播していく活路を得る。

People Treeの洋服を買うと、いつもどこの国のどこの工房でつくられたものか、札に記載されています。それが私は好きです。

フェア・トレードは、経済的な格差や地位の改善のためだけの運動だと見るのは、視野が狭いと思います。

ひとつひとつのプロダクトが、誰の手によってどこから来たのかを、もはや捉えることができないほど、私たちは平然と並んでいる商品を手に取り、結果的に似たようなデザインのものを選んでいます。

作り手の技術、使用される素材、モチーフ、色、すべてに意味があった時代が少しずつ、でも急速に過去のものになっていきます。

ですが、いろいろ使っているうちにわかります。化繊の洋服がいかにもろいか。

すべてのものはかつて、ハンドメイドだった、ということを時々私たちは、日本で暮らしていると忘れていきます。

民藝運動は、無記名ゆえの無私の中から生まれてくる美しさを発見し直す運動でした。

溢れている商品が、画一化してきたことで、そちらの方が「無記名」になった。

その中で、People Treeやタラブックスのような作り手の存在の打ち出し方が、新たな価値として想像力を広げてくれるのだと思います。

どこの国の、誰も真似できないもの、を、個からではなく、すぐ足元にある生まれ育って生きてきた土の中から引っ張り出してくる。

そういう芸当は、まさにアジアの得意とするところだと思います。

 

というわけで、今年最後の更新でした。

 

   “To see a world in a grain of sand,

         And a heaven in a wild flower.

         Hold infinity in the palm of your hand,

         And eternity in an hour."

 

最後まで読んで下さった方がいらっしゃいましたら、

どうぞ、よい年をお迎えください!

 

 

#子どもの本 #タラブックス #板橋区立美術館 #民芸