①からの続き。
だから、きんだあらんどや絵本館のような本屋さんが身近に町の中にあることが、
どれほどの贅沢か、ということを、小さな声ながらもこのブログに書いておきたいです。
どれほどそれが、ありがたいことか、と。
まさに前述の『教科書』の中で、メリーゴーランドの社長さんが、
どうして本屋をやろうと考えたかについて、
子どもが一人本を夢中になっている姿に魅せられたから、と書いてらっしゃいます。
確かに、一つの入り込めない素敵な宇宙を観るような、そんな光景です。
それが、見られる国と、なかなか見られない国がある。
この国にも本屋さんはあります。
でも、開いた本に夢中になって本屋の片隅で固まっている子どもの姿を、
私はまだ見たことがありません。
それが、見たい、
と、思わずにはいられない。
(ここがどこか、というのは、たぶんこの先もこのブログには書かないと思います)
本屋さんは、もはや、単なる商売の一形態ではなく、たぶん「ソーシャル・ビジネス」という言葉に近いと思っています。
子どもの本の出版社も、本屋さんも、商売の形をとった、重要な社会事業です。
今回、この国で大手といえる出版社2つを試しに訪問してみましたが、
出版事業は、やはりビジネス(お金儲けとしての)の側面も強いです。
商売として成り立たなければやってゆけないことは間違えありません。
そんな中、小さな市場の国では、
海外でベストセラーになった本しか出版しない状況が、
続いてゆくのかもしれない、と思いました。
そして、海外で売れたものからしか選択しない、という市場環境からは、
その国自体の児童文学が、育ちづらくなる、という
あまりよろしくないサイクルの土壌が出来上がりはしないだろうか、と
少しだけ危惧しました。
かたや日本では、永らくやっていた本屋さんが閉店する事態が続き、
かたや別の国では、まともな図書館すらない、という事態。
紙の本より先に、もしかしたら、ここでは、電子書籍やオーディオブックが、
あっという間に追い越して行ってしまう、なんてこともあるかもな~と思いました。
本を読まなくても生きていける。
でも、本は誰かの命を救うこともできる。
あたたかい、ポカポカした太陽のような本屋さんが、
出版社が、1人でも多くの子どものとなりに、
ありますように。
と、願う旅でした。
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