よむためにうまれて

上昇気流にのって旋回する沖合いのカモメのように、子どもの本のまわりをぐるぐるしながら、ぷかぷかと日々に浮かぶマナティのような個人的記録も編んでいます。

二条 寺院の向かいにある安心感②

きんだあらんど訪問の続きです。

 

絵本の専門店で、木材のあたたかさがこじんまりとした空間に安心感を与えてくれています。

絵本を読むときの「安心感」とその上での「冒険」がそのまま店内にあるような、

そんな空気感がとてもやわらかくて、ぬくぬくとここにいたいなぁ、と思いました。

 

上半分以上が立てかけ式につくられた本棚には、たくさんの絵本がこちらを向いて出迎えてくれて、

知っているものから知らないものまで、いちいち手に取りたくなってしまいます。

 

こちらのお店を紹介してくださった方が、

きんだあらんどさんの本の品揃えは、王道の品揃えだ、というようなことをおっしゃってました(この言葉のとおりおっしゃっていたわけではありません)。

行ってみてその言葉を思い出し、確かに、と思いました。

心がほっとするような、ちょっと懐かしいような、

そんな絵としての、本としてのぬくもりが衰えずにいつまでもそこにあるような、

そんな安心感をお店の品揃え全体が醸し出しているように思いました。

お店のチラシ(写真ページ下)にも、「厳選され世界中から集められた優れた名作たち」を揃えてますよ、とあります。

 

だからタイトルは「安心感」だな~、と思ったのです。

京都の町並みの、おもむきと、古いものがくれる包むような安定感。

それこそ向かい側にあるお寺さんに負けないくらい、

ここは心がほっとする空間を提供している気がしました。

 

せっかくなので、子どもの頃大好きだったリチャード・スカリーの日本語版を親戚の子に買いました。

いろんなお仕事紹介の本です。

今の小学生が「ゆーちゅーばーになりたい」と普通にいう時代でも、

このページいっぱいの、いろんな仕事が繰り広げられている世界を、

ひとつひとつ目でたどる楽しみは、今も同じで、

それは単なる職業紹介ではなくて、

いろんな人たちがいて、毎日それぞれのお仕事を通して、世の中はめぐっている、

という世界を、子どもがとらえる手助けをしてくれるものなのだと思っています。

そういう世界を、“ゆーちゅーぶ”という媒体が頭で確立される前に、

少しでも味わってから小学生になっていってほしい。

 

ところで、店内に流れていた音楽に聞き覚えがありました。

イギリスの古いキャロル 」(←某川のサイトに飛びます)というタイトルのアルバムです。

実は私もこのCD持っていて、(あれ?!)と思いました。

クリスマス前になるとちょっと聴きたくなるのですが、

お店の雰囲気にとてもよく合っていました~☆

 

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(前回の記事)

nplmanatee.hatenadiary.jp

 

 

#児童書専門店 #子どもの本 #きんだあらんど #京都二条

二条 寺院の向かいにある安心感①

かなり久しぶりの更新になります。

その間、大阪の地震西日本豪雨、そして酷暑。。。今年は本当に災害大国日本を実感する夏です。

私も友人が広島や大阪にいて、心配することの多い夏です。

ちょうど京都のお店に春に行ってきたところでしたし、8月、9月と、これ以上何らの大きな被害が出ずに、少しでも生活が戻るように祈るばかりです。。。

 

さて、数ヶ月前に行って来た京都の児童書専門店のお話を今日は書いておかねば、と思っています。

 

桂、四条、と京都のお店を回ってきて、

3件目は二条にある きんだあらんど (Kinderland) です。

 場所は二条になるのですが、私は地下鉄で三条の駅を降りて向かいました。

地上に出たら、三条通りを東へ向かいます。

かごなどを売っているお土産屋さんでお箸のお土産を物色した後で、その曲がり角を左へ。

北へ二条方面へてくてく歩き、両脇はちょっと懐かしい風情のある民家やお寺さんのある通りを抜けていきます。  

私は自他ともに認める晴れ女ですが、

この日も春としては日差しがかなり強いポッカポカ陽気で、

青空に散策が気持ちのよい天気でした。

こんな感じでたぬきの立っている宿があったりして。

「ええ天気やでぇ、きょぉはぁ!」・・・と言っている気がします。。

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この通りを歩いているだけで、だいぶ京都を歩いてるテンションがあがってまいります。

いちいち赴きのある民家を「すてきだな~」と味わいつつ進んでいくと、

たぬきの立っている通りの中ほどで、右手にお寺さんの木戸が出てきます。

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この反対側、左手がきんだあらんどです!

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右手の京都ならではの趣に気を取られていると、うっかり通りすぎてしまいそうになりますが、

看板とデイジーがすてきです。

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見た目はちょっとした保育園(都内にはビルの中に入っている保育園をよく見かける)っぽいですが、

入ってみると、入った瞬間にとても優しい空気感のあるお店だと分かります。

 

 (つづく・・・)

 

 

#児童書専門店 #子どもの本 #きんだあらんど #京都二条

トールキン展

行った感想ではありません。

トールキン:中つ国の創造者」

行けたらどんなにいいでしょう~、という話です。

What's On? | Tolkien: Maker of Middle-earth

 

オックスフォード大学のボドリアン図書館で昨日から10月28日まで開催されるトールキン展。

行きたすぎてイギリス自体に嫉妬を感じるほどです。笑

どうしてこの国はこんなにも文学の世界最高峰なのでしょうか。

いやいや、もちろん日本も最高峰の一角を占めていますが。

 

展示はトールキンのアーティスト、詩人、言語学者、作家としての天才っぷり、

学術界でのキャリアやプライベートに迫るそうです。

展示のうたい文句は ”once-in-a-generation exhibition" 世紀に一度の展示、ということで、

そう言われると是が非でも行きたい、、、と思ってしまいます。

私物など、今回世界初展示の物がたくさんあるそうです。

入場料は無料、ということですが、入場に際して予約が要り、

その予約手数料として1£を払えばよいそうです。

夏、イギリスへの渡航など計画されている方はぜひぜひ。

 

10月28日までですから、まだチャンスは5ヶ月間ありますね・・・

 

実は今秋からイギリスへ留学することにしています。

(そんな話も後々ブログに書けたらと思います)

 

大学そのものがもはや世界遺産的な存在と言ってもよく、

機会があれば行きたいなぁぁ。。。

 

 

 オックスフォードへいきたしと思へども

 オックスフォードはあまりに遠し

、、、ということで、

 

その代わりにトールキン展に関するガーディアン紙の記事を貼っておきます。

www.theguardian.com

 

 

#トールキン #オックスフォード #イギリス児童文学

京都・桂の贅沢な小部屋②

の続きです。

 

入ってみると、店内は二間あって、

玄関入って正面のお部屋の右手の棚に、

そのときの特集絵本が並んでいます。

奥にレジスペース、

そして左手にも特集本が紹介されています。

玄関から右手にあるお部屋は、

物語、絵本が取り混ぜて並んでいて、

椅子もあるので一つ一つ手に取って選ぶことができます。

 

お店の方が大変親切な方で、

そのときはお知り合いの方が来店されていたようなのですが、

気さくに私にもお声かけ下さり、

東京から来たんですよ〜、なんてお話をしました。

店主の方が選び抜いた本を並べていらっしゃるんでしょうね。

(お店にいらっしゃった方が店主さんではないようでした)

 

普通の民家がお店になっているので、

なんだかお休みの日に知り合いか親戚の家に遊びに来て、

本棚を漁っているようで、

“夏休みな気分”になっちゃう感覚が楽しかったです。

静かな室内で本を選べて、

さらにはこうしてお店の方とお話もできる、なんて、

旅先で訪ねてよかったぁ、と思いました。

旅を楽しんでいる気分が盛り上がりました!

 

 

京都・桂、という土地の“深さ”みたいなものと相まって、

包み込まれるような優しさのあるお店です^^

 

 

ところで。以下は番外編です。

☆-----------------☆

桂の駅周辺に、こんな自動販売機をみつけました。

 

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阪急格安切符の自動販売機です!

 

街中で電車の切符の自販機なんて今まで見たことない。

「格安」とは書いてありますが、

よく見ると¥270→¥290など、割引は十円台。

遠くの駅のものほど割引が大きいようでした。

(えええ、これ買う人いるんだろか、、)と、

行きに通り過ぎたときは思ったのですが、

帰り際にまさにこの自販機で切符を購入している親子を目撃しました。

( Σ('◉⌓◉’) 買ってはる人いてるやん!)

…という衝撃を受けたことが顔に出ないよう、

そしてジロジロ見ないよう、

気をつけながら前を通り過ぎましたが、

一体どこ行きの切符を買ったのか

メチャメチャ気になりました(笑)。

 

 

#児童書専門店 #子どもの本 #えほん館 #京都桂

京都・桂の贅沢な小部屋①

京都の児童書専門店で、

訪ねてみたいな、と思っていたもう一軒は、

桂にある えほん館 というところです。

 

桂で降りたのは初めてでしたが、

友人から、

「お酒の神様(松尾大社)とか鈴虫寺とか、桂からちょっと行くだけで面白い場所があんで」

と教えてもらっていたので、

そちらにも寄り道をしてから訪ねました。

松尾谷のけむるような春の気配をいっぱい吸い込んで、

緑を楽しんでから、

午後、桂へ戻ってきてえほん館を堪能しました。

こういうオプションを付けられるところがまた京都の素晴らしさ。

 

駅からの道順は、方向音痴の私でも

あまり迷わず(多少は迷います。。曲がるべき角で曲がらず直進しちゃったりとか。ただ、比較的わかりやすいです)たどりつけます。

 

桂駅東口前にあるロータリーに向かって

左へのびる線路沿いの道をまっすぐ進んでいくと、

医院のある角に出ますので、

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そこを右へ曲がり、

さらにすぐ次の横道を左へ曲がると、

こんな感じでお地蔵様の見守る三角州的な区画に出ます。

(お地蔵様の佇まいが抜群にステキでした!)

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そしてこの赤い看板が、えほん館!

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入り口は本当に普通の民家で、

看板に誘ってもらわなかったら

ちょっとドアを開けるのに勇気がいるかも。

でもこの赤い看板が何となく

さっきのお地蔵様の雰囲気とも合っていて、

路地裏の本屋さん、という趣きがありました。

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(つづく、、)

 

 

#児童書専門店 #子どもの本 #えほん館 #京都桂

四条の文化財なお店③

の続きです。

 

5階まであがると、

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「子どもの本の専門店 メリーゴーランド」の文字。

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ギャラリースペースと店舗スペースとあり、

古いビルなので、スペース自体は比較的小さめかもしれませんが、

その分、お店の空気感というのが凝集されていて、

ビルの雰囲気とあわさって、懐かしさを感じさせます。

(例によって、店内のお写真はありませんが、有名店なので検索すると素敵なお写真がざくざく出てきますので、そちらをご覧ください・・・。)

 

 

 きっと常連さんやギャラリー関係のお客さんも多いのでしょう。

店主の方は、お知り合いのお子さんに絵本を買いたい、というご相談などに乗られて、

さまざまな絵本を推薦されていました。

 

気に入った絵本は、子どもは何度も何度も読みますから、

この子はどんな絵本が好きかな、これなら気に入るかな、と想像しながら選ぶ時間の、

なんてあたたかいことか、と思い、そんな時間にいつも感謝しながら絵本を選びます。

そうして選んだ絵本が「お気に入り」に加わってくれたときは、さらに喜びがあります。

選ぶこと、読むこと、お気に入りになること、お気に入りだったなぁ、と思い出すこと。

そういう時間それぞれにそれぞれの楽しさがあって、

人生にわくわくするものを与えてくれるのも、

児童文学の豊かさのひとつ。

 

入って手前左手(だったかな、行ってからだいぶ時間が経っています)に、

お店のそのときのお薦め本が並んでいたので、じっくりチェックしました。

カードや小物、児童書だけでなく大人用の読み物も面白い品揃えでした。

 

ビルがもつ落ち着いた雰囲気の中で本選びを堪能できる。

それだけでぜいたくなお店だなぁ、、こんなお店のある京都、やっぱりいいなぁ、、と思っていました。

 

建物、お店すべて含めて、多くの人に愛されているお店であることが実感できました!

 

京都のお店は他に2店訪ねたので、まだまだ続きます。

 

#児童書専門店 #子どもの本 #メリーゴーランド #京都四条